新宿界隈でインドカレーを食べ歩いてきた男が語る「インドカレー店入門のすすめ」
こんにちは、ぽちです。
今回は、前回までとガラッと志向を変えて、食べ物の記事。
何を隠そう僕はインドカレーの大ファンです。十代のころはラーメン派でしたが、今は完全にカレー。しかもただのカレーライスではなくてインドカレーです。僕はそもそもコーヒーとかカレーとか、香りを楽しむものが好きなんですよ。
そんな僕は、数年前まで東京近辺のインドカレー(職場が新宿なので新宿界隈が多い)を食べ歩き、食べ〇グでレビューを量産していた時期がありました(自慢じゃないが、ムック本にも掲載されたことがあるんですよ~)。
ちょっと最近は体を壊してしまったので、インドカレーを食べる機会が減ってしまいましたが、せっかくブログをやっているわけですから、インドカレー初心者の方のためにインドカレー店に行くための入門的な記事を作成することにしました。これを機にインドカレーに興味を持っていただけると幸いです。
1 まずは手軽なチェーン店から
インドカレー自体は嫌いじゃないけど、なんか店に入りづらい・・という人もいるでしょう。そりゃそうです。一般的にインドカレー屋は、外国人スタッフが多く、異国情緒たっぷり。今でこそインドカレー屋はだいぶ浸透してきましたが、慣れてない人にとっては、まだ店に入る前に身構えてしまうのも無理はないです。
そんな人はまずチェーン店として展開しているインドカレー屋からスタートするといいでしょう。こういうお店は、日本人客にもなじむように会社規模で接客やメニュー作りを工夫しているので、初心者でも馴染みやすいです。
新宿でいうと、シディークやターリー屋が有名ですね。
シディークは新宿西口に1件あります。
一応お店のページのリンクを張っておきますが・・。ちょっと簡素なページですねw
シディークで定番のチキンカレー。割とサラッとしているタイプなので、くどいのが嫌な人には食べ易いカレーです。
新宿にはもう一つ四谷にシディークパレスというお店があるんですが、こちらはパキスタンよりの本格的な料理を出すので、手軽さという意味では新宿西口の方がいいでしょう(ただし通の人にはパレスの方が遥かにお勧めです)。
これに対して、ターリー屋はセットメニューが豊富なお店で、いろいろなバリエーションでインドカレーを楽しめるので、こちらも使い勝手がいいです。新宿界隈では一番店舗数が多いんじゃないかな。
http://www.thali-ya.com/tenpo-info
ターリー屋のインドカレーにはライタ(ヨーグルトサラダのようなもの)がつくのが特徴。本場のライタと違ってだいぶデザートっぽいけれど、口直しには嬉しい一品です。
今回はたまたまシディークとターリー屋を紹介しましたけれど、もちろんここより美味しいお店はいくらでもあります。しかしインドカレーに慣れるという意味では取っつき易いお店ですので、一例として挙げたまでです。
何を頼むか迷ったときは、一般にインドカレーの基本とされるチキンカレーとナンを頼んでみてはいかがでしょう。具材がシンプルな方がそのお店のスパイスの使い方が分かりますし、チキンの肉質やボリュームでそのお店の誠意が分かるというものw
2 インドカレー屋の雰囲気を掴んだら いろんなお店に行ってみよう
インドカレー屋に入ることに抵抗がなくなったら(または最初から抵抗がない人は)、自分の好みのタイプのお店を探してみると楽しいです。
ラーメン屋にも醤油、味噌、塩、はたまた東京系、博多系、札幌系などなどいろいろなジャンルがあるように、インドカレーにもその店の特徴があります。
インドカレーの場合、ランチタイムでは日本人受けする「無難な」メニューを出すところが多いですが、ディナーになると本領発揮してそのお店の個性を出すところが少なくありません。以下でざっくりしたジャンルを紹介しておきますので、お店を探す際の参考にしてください。
⑴ ネパール人による「無難なインドカレー」タイプ
日本にあるインドカレー屋の圧倒的多数がこのタイプです。
よくインドカレー屋なのにネパールの国旗が飾られているお店を見かけることがありませんか?実は日本にあるインドカレー屋の多くはネパール人がやっているものなんです。
その理由については諸説あります。僕がレビュアーとの会食の際にその筋に詳しい人に聞いた話では、ネパール人はインド人に比べて器用でよい料理人が多く、外国人に人気のあるインドカレーを武器に海外進出する人間が多いから、なんだとか。
なるほど、ちょうど日本人が中国料理であるラーメンでチェーン店を作り外国進出するようなものかな。
つまりこういうお店は、外国人向けにあらかじめカスタマイズされたメニューが多いため、癖がなくて食べ易いことが多いんです。
そしてこの手のお店は更に、北インド系とネパール系に分かれる傾向にあります。
◯北インド系
北インド系の厳密な定義は難しいですが、要はナンのような小麦を原料とした主食を使った「外国人(日本人)がよく知っているカレー」は大体これです。バターチキンカレーは北インドカレーをアレンジして生まれたという説もありますからね。
一般にクリーミーでコクのあるタイプで、ナンと一緒に食べるならこういうカレーの方が食べ易いかもしれませんね。上の例でいうとターリー屋はこれに近いと思います。
〇ネパール系
インドカレーを作っているネパール人の中には、自国の味に近づけたインドカレーを出すところもあります。中にはインドカレーだけでなくネパール料理であるダルバートやモモを出すお店も珍しくありません。
この手のお店のカレーはサラッとしたカレーであることが多いです。厳密にいうとこういうカレーは、ナンよりもごはんで食べるべきなのかもしれませんが(ネパールは米食文化圏)、両者の区別はあまりなくなってきているので気にすることはありません。
ネパール系のインドカレーは無難な分、どっちつかずで、インドカレー通からは「凡庸」呼ばわりされることも少なくないのですが、もちろん名店もあります。
例えば、新宿のサンサール。ネパール寄りのインドカレー屋ながら、両者の良さを巧みに生かした料理を提供します。ネパール料理を食べたことがない人には、ここのダルバートを一度試してみることをお勧めします。
※ネパールの定食「ダルバート」
⑵ 南インド系
大多数のネパール人の経営するお店と一線を画すのが南インド系。
南インド系はご飯で食べることが多いです(ナンは使わない)。ネパールのカレー同様、サラッとしているのですが、スパイスが刺激的であることが多いですね。
メニューにミールスがあれば、そのお店はほぼ間違いなく南インド系です。
これがミールス
それぞれの容器に入っているカレーなどの料理を、ご飯と混ぜ合わせて食べます。
一般的なナンカレーと違って作るのに手間がかかる(したがってお値段も1000円を超えることがほとんど)ので、これを出すお店は本格的なシェフがいる可能性が高いです。
ナンで食べるカレーをイメージする人にとっては面食らうかもしれませんが、慣れるとおいしいですよ。南インド系の料理は、クリームや油を抑えたヘルシーな料理が多いので、女性にも人気がありますし(ただしミールスは量が多いので少食の僕にはしんどい)。
ミールスはちょっと上級者向けですけど、「油っこいものや重たいものが苦手だけどスパイスは好き」という人には南インド系がお勧めです。
新宿でいうと西武新宿の近くにあるムットが南インド系でミールスを出しますね。もちろん普通のナンを使ったインドカレーもありますので、肩ひじ張らず利用できると思います。一応、お店のページのリンクを張っておきますね。
⑶ パキスタン系
上記の2つよりはマイナーですけど、パキスタン系というのもありますネパール人だけでなくパキスタン人もインドカレー店をやっていることが多いんですよ。こういうところではカレーの味もパキスタンよりになるのかもしれません。
パキスタン系は、マトンなどの肉を使った野性的な味になることが多いです。先ほどの南インド系とはある意味、対極。
このマトンドピアザは、マトンを使った典型的なパキスタン系カレーです。
はじめのころに挙げたシディークも実はパキスタン系だったりします。
もっとも普通のメニューはパキスタン色を抑えていますので、本格的にパキスタン料理を体験してみたい方は先ほど紹介したシディークパレスに行ってみるといいでしょう。今回は入門編の記事なので詳細は割愛しますが、このお店は本当にすごいです(^◇^)
3 さいごに
以上、入門編としてインドカレーのパターンをざっくりをまとめてみました。
もちろんこんな薀蓄を知らなくてもカレーは楽しめますが、最低限の知識がないとインドカレーについて思わぬ誤解をしてしまいます。
例えば、ネパール系のお店に行って「この店のカレーは水っぽくて不味い!自分が普段食べているバターチキンカレーのほうがコクがあってうまいぞ」なんて感想を持ってしまうのは誤解というものです。
ネパール系のカレーとバターチキンはそもそも系譜が異なるものですからね。この感想は、あるお店で塩ラーメンを食べて「俺が普段食っている豚骨ラーメンの方がコクがあってうまい」といっているようなもんです。
インドカレー屋に不慣れな人がそんな誤解を避けるためにも、この記事が何かのお役に立てるといいなと思っています。
それでは、また('◇')ゞ